Mellow65 ビルドガイド

同人活動

What’s This?

このページは自作キーボードキット『Mellow65』のビルドガイドです。

頒布したキットはこの手順に沿って組み立てることでキーボードとして使用できるようになります。Mellow65の詳細については、 【イベント参加告知】キーケットに参加します!&おしながき を参照してください。

内容物

はじめに、以下の内容物が不足なくキットに含まれていることを確認してください。

名称数量備考
PCB2枚(左右各1枚)ロゴ記載がある面が裏
トッププレート2枚(左右各1枚)スイッチをはめる穴がある
ボトムプレート2枚(左右各1枚)ネジ止めの穴しかない
電源スライドスイッチ2個
スペーサー M2 10mm13本
スペーサー M2 6.5mm20本※初回頒布分のみ20本、2回目頒布以降は21本を予定
ネジ M2 5mm66本予備含め70本程度入り
ゴムワッシャ33個予備含め40個程度入り
電池ケース(SMTU1632)4個
コンデンサ2個
クッションゴム8個
PLA製フレーム2個(左右各1個)同梱キットの場合

別途必要なもの

名称数量備考
BLE Micro Pro2枚(左右各1枚)のぎけす屋 , 遊舎工房
コンスルー4本(左右各2本)遊舎工房
13pinにて動作確認済、12pin(2mm)でも接続は可能
スイッチ用MX互換ソケット65個遊舎工房
キーキャップ65個
ボタン電池(CR1632)4個(左右各2個)

※日本語キーキャップは、自キ温泉街販売所 (サリチル酸氏運営)によるAcid Capsシリーズを
利用すると、このキーボードに合った日本語配列向けのキーを揃えることができます

必要な道具

ハンダごて温調ハンダごてがおすすめです
こて先細めがおすすめ
ハンダヤニ入りがおすすめ
ネジ回しM2に対応した0番のネジ回しが必要です
ピンセット通常のものでも逆作用でもお好みで
ニッパー/ペンチ電源スイッチの余分な足を短くするために
手袋作業中のアクリル板の汚れ防止に

組立手順

アクリル板とPCBの確認

 

キットを開封し保護シート付きのアクリル板とPCBを上記のように並べて左右の確認をしてください。

PCBにロゴがない面が「表面」、1列多い側が「右側」です。これ以降、各プレートの表裏左右はこの定義に沿ってカ説明します。

また、上記のように配置した際の中央を「内側」と定義し同様に説明します。

スイッチソケット、コンデンサ、電池ケース、電源スイッチの実装

Mellow65では全てのダイオードはあらかじめハンダ付けしてあります。もう小さなダイオードと格闘する必要はありません!
ハンダ付けが必要なのは、スイッチソケット65個、コンデンサ2つ、電池ケース4つ、電源スイッチ2つです。

ハンダ付けに慣れていない方は少しずつ休憩をしながら行ってください。
コツとして、基板側の端子(四角い平面をパッド、何かを挿す形の穴の端子をランドと呼ぶ)を加熱したハンダごてで撫でるようにして温め、それからハンダ付けをするとスムーズです。
ハンダを溶かして垂らして付ける……というイメージがあると思いますが、接合する端子とハンダの温度差が大きいとくっつきにくいです。
全体を加熱して、馴染ませてからハンダを添えると上手くハンダ付けができます。

はじめにソケットのハンダ付けを行います。
「裏面」、キースイッチの真裏にあたる場所にスイッチソケットをハンダ付けします。
ソケットを置いて直接ハンダ付けするか、正方形のランドにあらかじめハンダを薄く溶かして持っておき、その上にソケット置いてハンダを溶かして接合します。
この作業中、ソケットはとても熱くなるので、ピンセットを必ず使うようにして下さい。

「左側」に30、「右側」に35のソケットをハンダ付けしてください。

次に、コンデンサのハンダ付けをします。
「裏面」の「内側」、キーボードの親指部分近くに空いているパッドがあります。
ここに左右一つずつコンデンサをハンダ付けします。

コンデンサは左右の側面が端子になっており、ハンダを沢山付けてパッドと接合します。
あらかじめパッドにハンダを盛り、コンデンサを置いて溶かす。更にコンデンサの端子を覆うようにハンダを追加する……といった流れで接合することができます。
ハンダは多めで大丈夫です。作者の雑に付けた例をご覧ください。(これで十分に動作します)

つぎは、ボタン電池のケースをハンダ付けします。

左右それぞれ「内側」にあたる部分に、斜めにパッドが配置されている箇所があります。
この部分に電池ケースを付けます。
左右どちらとも、写真と同じように配置してハンダ付けしてください。
パッドに薄くハンダを溶かし、その上にケースを載せてハンダ付けしてください。
通電する部分ですので、ハンダは多めにしっかりとつけた方がトラブルが起きにくいです。

最後に電源スイッチを取り付けます。
左右それぞれ「外側」上の部分に、3つランドが並んだ箇所があります。ここに付けます。

裏面から表面に向かってスイッチを挿します。
テープなどで固定して「表面から」ハンダ付けをします。
このスイッチだけハンダ付けをする面が逆なので注意してください。
※部材調達の関係から写真とは異なるスイッチを同梱して出荷している場合があります。

このように、基板からぶら下がる形でスイッチを付けます。(写真上が基板表面です)
端子が飛び出ますので、可能な限りニッパーなどで端子を切断してください。

左右の基板について、同じようにハンダ付けをしたら作業完了です!

BLE Micro Pro のファームウェア書き込み、暫定動作確認

Vial/Remap非対応の従来型ファームウェアの書き込み手順(検証済)

BLE Micro Proにファームウェアを書き込んで動作確認を行います。

上記リンクを開いてから、BLE Micro Pro をUSBケーブルでPCに接続します。
「ブートローダーをアップデートする」をクリック。
“Select bootloader version”の欄にて、”ble_micro_pro_bootloader_0_11_2″を選択して、”Update”をクリック。途中ブラウザにて、BLE Micro Proへのアクセス許可を求めるダイアログが出るので、OKを押して進めます。

書き込み成功後は、ページを戻り「アプリケーションをアップデートする」を開きます。
“Select application version”の欄にて、”ble_micro_pro_default_0_11_3″を選択して、”Update”をクリックします。うまく行かない場合は、USBケーブルを抜き差ししして、再度実行してください。

次に、Mellow65の設定を書き込みます。
このリンクからzipファイルをダウンロードし、解凍してください。
左と右の基板にフォルダが分かれて収納されています。このデータを書き込みます。
再び、BLE Micro Pro Web Configuratorのページを開き、「キーボードごとの設定を書き込む」を選びます。
何も選択せずに”Update”をクリックすると、ファイル選択ダイアログが表示されます。
ここで、ダウンロードした左手用フォルダの、”CONFIG.JSN”を選択し書き込みを行います。
書き込み完了後、BLE Micro ProをUSBドライブとして開いて、”CONFIG.JSN”などのファイルがあれば書き込み成功です。
最後に左手用フォルダ中にある “KEYMAP.JSN” をBLE Micro Pro内の同名のファイルに上書きします。※ビルドガイド記載当初、本記述が抜けておりました。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。(2024年3月13日 3時01分追記)

この手順をもう一枚のBLE Micro Proにも行い、最後は右手のファイルを書き込みます。
これで、左と右の基板に取り付けるBLE Micro Proが完成しました。
キーマップの詳細はKEYMAP.JSNファイルを参照ください。(後で追記します)

Vial/Remap用ファームウェアの書き込み手順(暫定版)

以下の手順にて、Vial/Remap用のファームウェアを利用できます。
Vial/Remapはブラウザやアプリケーションからキー配置を書き換えられる便利なツールです。
これらの利用方法についてはビルドガイドでは記載しません。
例えば、サリチル酸様のBlog「自作キーボード温泉街の歩き方」に解説記事がありますので、こういった既存の情報を参照してご利用ください。

本手順は2024年3月13日時点で暫定版です。
ファームウェアが正常に動作することを確認済ですが、手順のテストを実施中という状態です。
もし手順を行い動作しなかった場合、連絡をいただけましたら調査し改善いたします。
あらかじめご了承ください。

上記リンクを開いてから、BLE Micro Pro をUSBケーブルでPCに接続します。
「ブートローダーをアップデートする」をクリック。
“Select bootloader version”の欄にて、”ble_micro_pro_bootloader_1_1_1″を選択して、”Update”をクリック。途中ブラウザにて、BLE Micro Proへのアクセス許可を求めるダイアログが出るので、OKを押して進めます。

書き込み成功後は、ページを戻り「アプリケーションをアップデートする」を開きます。
“Select application version”の欄にて、”ble_micro_pro_vial_1_1_2″を選択して、”Update”をクリックします。うまく行かない場合は、USBケーブルを抜き差ししして、再度実行してください。

次に、Mellow65の設定を書き込みます。
このリンクからzipファイルをダウンロードし、解凍してください。

zipファイルには以下が格納されています。

ファイル名内容用途
info.jsonキーボードの情報を記載したファイルbmp-vial-config-generatorで設定変更をしたい方はご利用ください
Mellow65.vilVial用キー配列ファイル初期値の書き込みに利用します
Mellow65_vial.jsonVial/Remap上で表示するキー位置を記載したファイルRemapを利用する際に、毎回読み込ませる必要があります
keymap_cheatsheet_(bmp)mellow65.pdfキー配列ファイル初期値のキー配列説明を記載しています
/left/Mellow65_master_config.bin左手ファームウェアファイルBLE Micro Proにこのファイルを書き込みます
/left/Mellow65_master_config.json上記内容を記載したファイル設定値などを知りたい場合は参照ください
/right/Mellow65_master_config.bin右手ファームウェアファイル前記同様
/right/Mellow65_master_config.json上記内容を記載したファイル前記同様

左と右の基板にフォルダが分かれて収納されています。このデータを書き込みます。
再び、BLE Micro Pro Web Configuratorのページを開き、「キーボードごとの設定を書き込む」を選びます。
何も選択せずに”Update”をクリックすると、ファイル選択ダイアログが表示されます。
ここで、ダウンロードした左手用フォルダの、“Mellow65_master_config.bin”を選択し書き込みを行います。
再び画面を戻り、「キーマップを変更する」を開き、何も選択をせずに”Update”をクリックして書き込みを行います。

次に、初期キーマップを書き込みます。
このリンクを開き、 ローカル実行版のVialをダウンロードします。
インストールもしくはzip解凍をしてからVialを起動します。
初回はBLE Micro Proが認識されていないことが多いので、”Refresh”をクリックします。
成功するとキーボードのレイアウトと、適当なキー配列が表示されます。
これを実際に利用できる初期配列に変更します。

Vialの画面左上 “File” をクリックし、 “Load saved layout” をクリック。ファイルの選択画面で、解凍したフォルダの “Mellow65.vil” を選択します。
画面上のキー配列に適切な内容が書き込まれ、”keymap_cheatsheet_(bmp)mellow65.pdf”と同様の配列となれば書き込み成功です。

これ以降、このレイアウトは Web上のVial/Remapで自由にカスタマイズが出来ます。
Remapを使う際は、接続をするたびにzipファイル内の “Mellow65_vial.json” を読み込ませてください。

同様の手順を右手用のBLE Micro Pro にも実施し、次の動作確認へと進みます。

動作確認

基板にBLE Micro Proを取り付けて動作確認します。
BLE Micro Proにコンスルーを取り付けて、基板「裏側」、USBコネクタが「外側」を向くように基板に取り付けます。このとき、BLE Micro Proの様々なチップが載った面が見える向きで取り付けるようにして下さい。

左右両方同じ状態にしたら電源を入れて動作確認します。
「左」の電源スイッチをキーボード「内側」にスライドさせ電源を入れます。
次に「右」も同様に「内側」にスライドさせて電源を入れます。
この状態で左右が接続され、周囲に対してペアリングモードで動作をしているはずです。
PCなどでBluetooth接続のメニューを開き、接続できることを確認してください。

接続できない場合は、左のBLE Micro ProにUSBケーブルを挿してペアリングできるかを確認してください。USBケーブルを挿してペアリングできる場合は、電池ケースもしくはコンデンサのハンダ付けを誤っている可能性があります。
また、ペアリングできない場合は、ファームウェアの書き込みを誤っています。手順を戻って確認してください。

ペアリングできた場合は、左右それぞれにキースイッチを挿して入力されるかテストを行ってください。
スイッチを挿すのが面倒な場合は、裏面のスイッチソケットにある2つの端子をピンセットなどでショートさせることで同様の入力テストができます。このテストの後、スイッチを全て取り外す必要があるため、こちらの方法がオススメです。

入力されないキーがあった場合はスイッチソケットのハンダ付けが失敗している可能性があるので、確認をして下さい。
確認が無事に終わったら、キースイッチを全て取り外してください。

組み立て

最終工程の組み立てを行います。
ボトムプレートのアクリルを取り出して並べて確認を行います。

赤丸の穴は10mmの長いスペーサーを取り付けます。トッププレートを支えます。

それ以外の穴は6.5mmのスペーサーを取り付けます。PCBを支えます。
柔らかい打鍵感が好きな方は6.5mmのスペーサーを減らすと調整ができます。

6.5mmスペーサーは初回頒布分は20本を添付しています。
試作時に右手中央にスペーサーを取り付けると打鍵感が硬く、不要と考えていたためです。
しかし穴の数に対して差異があり、お問い合わせもありましたので、2回目頒布以降は21本を添付します。20本のキットをお持ちの方は、右手中央にスペーサーを付けず組み立ててください。

いずれも、この画像の表面から上に向かってスペーサーが立つ向きで取り付けます

まず、スペーサーを使ってネジを固定します。
これからアクリル板を触るので、手袋を使うと綺麗に仕上がります。
まず、アクリル板の保護紙を剥がします。そして、上の画像での、底から上に向かってネジを1本通します。上側からゴムワッシャをはめてネジを固定します。


※見えやすいように保護紙を貼ったままにしてます。忘れずに剥がしてください。

全てのネジを通したら、長さを間違えないようにスペーサーをネジ止めしてください。
取り付けたら基板を上から降ろすようにしてはめ込みます。ここで基板が斜めになる場合は、スペーサーの長さを間違って取り付けて、基板の底面があたっている状態です。再確認をして下さい。

基板が入ったら、基板上側からネジ止めをします。6.5mmのスペーサーを取り付けた箇所は、基盤上でネジが通る小さい穴になっていますので、上からネジ止めしてください。
気持ち緩めにすると打鍵感が柔らかくなる気がします。

次にフレームをはめます。不要な方はなくても問題ありません。
基板の周囲を囲む形をしているので、上から落とす形ではめてください。

次はトッププレートを取り付けます。上から降ろすと10mmの長いスペーサーによって支えられる形になるので、ネジ止めしてください。
無事に固定できたらキースイッチを取り付け、キーキャップを取り付けます。

クッションシールの取り付け

キースイッチを全て取付終わったら、滑り止め用のクッションシールをボトムプレートの底面に貼りましょう。

おすすめの貼り付け位置は、四隅!4つしかシールを添付してません!
ネジの上に貼らないように注意してください。

完成!!

これでMellow65が完成です!!!!!このビルドガイドも完成です!!長かった!

これからどんなキーキャップを付け、どんな風に色づけるかはあなたの自由です。
好きなように着飾って自分だけのMellow65を仕上げてください。

作例は Twitterにて #Mellow65 のハッシュタグで投稿いただけると幸いです。

長いビルドガイドにお付合いいただきありがとうございました。今後の皆さまのキーボードライフが充実することを願っています。

サークル寺見屋ラボ てらひで (3月1日 午前2時50分)

 

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